ピアノは指で弾く?それとも…
- Junko Nagaya
- 4月24日
- 読了時間: 3分
前回のブログでは、ハイフィンガーと言われている奏法について考察してみました。

今回は私が留学したもう一つの音楽大学Mozarteumで、私の先生であったKern先生とよくお話していた話題の一つ、ピアノは指で弾くのか、それとも肩から弾くのか…という話に関連したお話を書こうと思います。
私は長年オールドロシアンスクールのピアノ奏法を学んできた為、ピアノを弾くときは、指だけではなく、肩から弾くようになりました。これはKern先生はもちろん、バシュキロフ先生のクラスでも、先生がいつも“ConcertHall Soundとおっしゃいながら、ピアノは肩から弾くようにと実演つきでお話されていたので、受講されていた方にはおなじみの話だと思います。
Mozarteumはオーストリアの国立大学で、南ドイツとの国境近く、バイエルンの隣に位置するザルツブルグにあります。その為、Kern先生もよくおっしゃっていたのですが、主にドイツの方から来る、指で演奏する奏法の人達と、ギリロフ先生のようにロシアからいらっしゃった先生もいるので、ロシア系の奏法とが共存しているという感じがありました。今はフランス人のルヴィエ先生もいらっしゃるので、オーストリア、ドイツ、ロシア、フランス、アメリカなど様々な国の奏法や考え方が共存している音楽大学なのではないでしょうか。
私の先生であるKern先生は、アメリカ人ですが、おじいさんはドイツ人だそうです。さらにアメリカNJの出身で、子供の頃住んでいた家の近くには、かつてダ・ポンテが住んでいた所があったような事を話されていました。NYにあるJulliard School でロジーナ・レヴィーン先生に師事されており、私は先生から主に「オールドロシアンスクール」のピアノ奏法を学びました。
そして仕上げというか…最終チェックみたいな感じで、今は亡きバシュキロフ先生の恐ろしい…マスタークラスを受講してきました。
ある時、私の演奏をみてMozarteumのピアノ科のプラッゲ先生が「なんでフラットフィンガーで弾いてるの」みたいにおっしゃって「なんで指で弾かないの」という事で、先生独自の指を鍛えるトレーニングを実演してくださった事がありました。(壁に指を立てて…みたいなエクササイズでした)
そのようなプラッゲ先生のリアクションから察するに、一般的にドイツ人は指でピアノを弾くと考えても良いのかなと思いましたが…真相はどうなのでしょうか?
とは言っても、プラッゲ先生もチャイコフスキーコンクールに入賞されており、私がお話させていただいた時はプロコフィエフの2番のピアノコンチェルトを演奏会の為に準備中とのことで、少し演奏を聞かせていただいたりしましたので、ロシアにもゆかりのある方だと思っています。
私が長年勉強してきた「オールドロシアンスクール」のピアノ奏法も、ロシア奏法と言われているわりには、19世紀のドイツ諸国やオーストリアとなんらかの関係がありそうだなと最近思い始めています。
これらオールドロシアンスクールに関するお話は、これから少しずつ書いていこうと思います。




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