ゲーテインスティテュートのOpen Day から
- Junko Nagaya
- 4月12日
- 読了時間: 3分
今年もゲーテインスティテュート東京のOpen Dayの一環として開かれた、音楽コンサートに、ピアノソロとドイツリートを歌うという形で参加させて頂きました。今までの人生で、ピアニストとして歌手の方が歌われるドイツリートの伴奏をした事はあったのですが、私自身がドイツリートを舞台の上で歌ったことはなかったので、今回はかなりチャレンジとなりました。と言っても、ドイツ語クラスDeutsch für Musik "Dichterliebe"受講生の皆さまと一緒に歌わせていただいたので、歌に関してはソロで歌うわけではなかったのですが。それでも自分のピアノソロ以上に、ドイツ語の発音と歌を練習する日々となりました。
ゲーテインスティテュート東京では「音楽家の為のドイツ語」というクラスが開講されていて、 昨年はシューベルトの「冬の旅」”Winter Reise”について勉強しましたが、今年のテーマはシューマンの「詩人の恋」”Dichter Liebe”でした。
シューマンはドイツロマン派を代表する作曲家です。彼は「詩人の恋」を作曲するにあたり、同じくドイツロマン派を代表する詩人であるハインリヒ・ハイネ Heinrich Heineの「抒情挿曲」"Lyrisches Intermezzo”という詩集から、いくつかの詩を抜粋し、ハイネの原作のイメージを保ちつつも、新たに彼独自の「詩人の恋」という音楽作品を生み出しました。
ハイネの詩もシューマンの歌曲も、基本的には「哀しみ」が主題になっており、ピアノの音色によって描き出される幻想的な雰囲気の中で、「愛にまつわる悲しい話」を歌手が歌うという形式で、楽曲は進行していきます。
「詩人の恋」のピアノパートを演奏した経験はありましたが、今まで、歌のパートを実際に歌ったことはありませんでした。さらに、ハイネの詩をドイツ語で朗読した事もなかったので、まずハイネの詩をドイツ語的に聞こえるように朗読することがとても大変でした。さらにそれを舞台に上がって、観客の皆さまの前で歌うとなると、かなりのチャレンジとなりました。
さらに偶然にも、今年の演奏会にて、ピアノソロで演奏させていただいたブラームスの楽曲も「間奏曲」"Intermezzo"、シューマンの「詩人の恋」も、ハイネの原作では"Lyrisches Intermezzo”というタイトルだったと知り、こちらも"Intermezzo”つながりという事で、大変興味深い偶然だなと考えながら、両方の曲を練習していました。
特にブラームスの間奏曲"Intermezzzo"作品117には、クララ・シューマンが多大な関心を寄せていたのみならず、彼女の有名なお弟子さん達が、録音を残されています。そのようなクララ・シューマンのお弟子さんであり、フランクフルトやケルン音楽院での教育活動を経て、晩年はNYCのジュリアード音楽院でも教えてらっしゃったピアニスト カール・フリードベルクCarl Friedbergの演奏のリンクを参考までにあげておきます。
クララ・シューマンの門下は、このような演奏解釈だったのかなと、とても興味深く思いながら演奏を聞きました。私達オールドロシアンスクールと同時代に活躍した流派ですが、私達とはピアノの音色や演奏のスタイルが、かなり違うと感じます。
バシキーロフ先生のマスタークラスを最後に受講した時、バシキーロフ先生がラフマニノフの「楽興の時」のレッスンの最中に突然演奏して下さったのも、このブラームスの間奏曲でした。先生はピアノ演奏において、「歌う」ことの大切さについて演奏で伝えようとして下さったのだと思いますが、「歌う」ことの重要性についても、あらためて考える好機となりました。



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