Urtext Edition 原典版 2
- Junko Nagaya
- 4月10日
- 読了時間: 1分
更新日:4月11日
私はUrtext Editionって、基本的にすべて同じ内容の楽譜だと思っていたのですが、どうやらUrtext Editionと言っても、校訂を行った音楽学者の個人的見解や意見がかなり反映されているようで、Urtextを名乗っているからと言って、必ずしも各社から出版されている原典版楽譜の内容が、全くすべて同じという訳ではないのです。
例えば、作曲家のAutographはUrtext Editionを作る中で、もちろん重要な情報源となるはずですが、作曲家の生前に楽曲がすでに出版されていた場合などは、初版本をつくる過程で行われた写譜や校正なども含めてUrtextをつくる時に検討されるため、必ずしもAutographに作曲家が書き留めたアイディアのすべてが、そのままUrtextに反映されているわけでもないのです。
まさしく、今回演奏した”Gute Nacht”がその事例でした。
シューベルトの自筆譜を含め、6種類の異なる楽譜をみましたが、すべての楽譜、どこかが違っていたのでした。ひとつとして全く同じ楽譜がなかったのです。
これには本当に驚きました。
一体、私はどの楽譜を演奏したらよいのだろうか?
と悩んでしまって、それならばシューベルト自身はどのような楽譜を書いたのか、まずAutographが今何処にあるのか、と探してみることにしたのです。




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