ロシア奏法って本当にあるの?
- Junko Nagaya
- 4月26日
- 読了時間: 3分
ロシア奏法に興味をもって「ロシア奏法が習いたい!」という人は多いのではないでしょうか?
でも、私の場合は…
私は「ロシア奏法」なんて「ない!」って最初思っていました。
でも、今は「ある」と断言できます。
でも、最初は全く信じていなくて、ホロヴィッツの事でさえ「どこが良いのか、あまりよくわからない…ピアノを弾くおじいさん…」くらいに思って、子供の頃は眺めていました…。その後、留学先のアメリカのイーストマンでも、モーツアルテウムでも学校のどこかでホロヴィッツの肖像画をみかけた記憶がありますが…
以前、バシュキロフ先生がご健在の頃、先生のマスタークラスを受講した時に「誰の演奏を聴いてきたか?」と聞かれたので「ホロヴィッツ」と答えたら握手をして下さったので、それ以来、真剣にYoutubeでもホロヴィッツの演奏を見るようになりました。
ちなみにキーシンとも言ってみましたが、「あれはちょっと違うんだ…」というようなリアアクションをされまして。毎回、誰の演奏を聴いたか聞かれた時に、正しく答えられるように、誰の名前を挙げるか事前にリサーチしたりしていたので、以前よりも詳しくなってきました。
でも、最初は、それくらい私とは別の世界に住んでいる人だと思っていました。
ザルツブルグ音楽祭でソコロフの演奏会に初めて行った時も、ペテルブルク音楽院出身のピアニストの方は、すごくソコロフに熱狂されていたのに(偉大な先輩だから当たり前の事だと思いますが)、私はソコロフが誰か知らなかったり…と。
私はロシア奏法に全く興味がなかったし、自分とは一番遠い世界の話だと思っていました。
でも、実は最初からロシア奏法を習っていたらしい…と気が付いたのは、それこそ最近の事です。
おそらくその影響で、Kern先生が教えてくださった「オールドロシアンスクール」のピアノ奏法が一番ピアノを弾きやすい…と感じたのかもしれません。
多くの皆さんはモスクワ音楽院に留学したり、ロシア人の先生についないとかないとロシア奏法は習えない…というふうに考えているかもしれませんが、Kern先生のようにアメリカ人でも、モスクワ音楽院出身のロジーナ・レヴィーン先生から学ばれて、帝政ロシア時代のモスクワ音楽院に由来する、「オールドロシアンスクール」と呼ばれる奏法を受け継いで教えていらっしゃる方も少なからずいるのです。
そして、そのようなロシアンスクールの基本(Basic Principle)は同じなのです。
ロシアとのイメージ的なつながりがみえなくても、ピアノ奏法としては同じ原理で教えているので「ロシアって言われても…」と思われるかもしれませんが、本当にあるのです。
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